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認知症予防とアロマケア③タッチケア編

シリーズ3回目!

 

⇒2回目は認知症とアロマケア②香り編

 

アロマケアは大きく分けると

『香り』×『タッチ』の要素があります

 

3回目は『タッチケア』の視点から…

 

タッチケアは

皮膚を介して安心や心地よさを感じたり

人との繋がりを感じたり等

 

認知症予防や周辺症状を和らげることにも役立ちます 

 

同時に、1対1のケアとなるため

時間的なこと・技術的なことなどの検討要素も多いのが現状です

 

今回は『触れることが認知症予防にどう役立つのか』

今までの経験を交えながらまとめました

 

家族へのケア・施設への導入を検討されている方の参考になると幸いです

  1. タッチが心身へ与える影響
  2. アロマタッチケアの作用
  3. 実際の経験を通して
  4. まとめ

1.タッチが心身へ与える影響

 

触れるというスキンシップは

人間の成長発達にも影響する要素

 

認知レベルでは『愛情や信頼』を感じ

 

情動のレベルでは『安心・心地良い感覚』を得られ

 

とても大切な五感の一つです

 

代表的なタッチケアの一つに

スウェーデン発祥のタクティールケアがあります

 

1960年代に未熟児のケアに携わっていた看護師が

赤ちゃんを包み込むように優しく触れると

 

赤ちゃんの体温が安定し

体重が増えたことからはじまったケアです

 

現在では認知症の方のケアとしても取り入れられています

 

人にとって触れるって

安心や信頼を育むことにも繋がるんです

 


2.アロマタッチケアの作用

 

次に認知症予防とアロマタッチケアの作用について

 

ここでいうアロマタッチケアとは

タッチの要素に

精油をブレンドしたオイルを用いた

ハンドタッチケアのことをいいます

 

アロマハンドトリートメントともいいます

 

これらに関する研究は複数行われており

オキシトシンの分泌や

脳血流量の変化などが見られ

科学的にもストレスの減少や

安心感や心地よさを感じることが分かっています

 

(参考文献:セラピスト/認知症ケアの教科書/2019年10月号 BAB JAPAN)

 

優しくゆったりした連続したタッチケアと

 

精油の作用の相乗効果が

心地よさや安心感をもたらします

 

短時間で脳をリラックスさせたり

会話が増えコミュニケーションも広がります

 

シリーズ1回目の導入編でも触れましたが

心地よい刺激や楽しいと思う気持ち

それを通しての人との繋がり

それ自体が認知症予防に役立ちます 

 

未病の段階の予防はもちろん

認知症を発症されている方の

2次的な症状の緩和にも役立ちます

 

認知症の方は

人やモノ・時間や場所などが分からなくなることへの苦悩、

思い通りにならない苛立ちなどを抱えながら生活しています

 

また、二次的にみられてくる

徘徊・暴言・不眠などの根底には

上記の症状からくる強い不安も影響しています

  

優しいタッチケアは

症状からくる不安や苛立ち・不眠などが

緩和するよう働きかけくれます

 


3.ケアを通して感じたこと

 

最後に高齢者の方への実際のタッチケアを通して

感じたことをお話したいと思います

  • 予防介護教室
  • 病院内のイベント
  • 高齢者施設内でのプログラム等

 

お元気な方~寝たきりの方まで

様々な健康レベルの方に提供させて頂きました

 

予防介護教室では

 

『一人暮らしだからセルフの方法を知りたい』

 

『自分も覚えて娘さんやお孫さんにしてあげたい』

 

等、意欲的な声も多く聞かれ

 

何歳になっても学んだり

人のために役立ちたいと意欲的な方も多く

 

私もそんな風に年を重ねたいなと感じました

 

タッチケアは

する人とされる人というイメージが

一般的にはありますが

 

自分で自分にするセルフケアとして

ニーズがあることを教えて頂きました

 

とはいえ…

精油の扱い方には

若干の注意事項があるので

安全に使えるような工夫や

知識の伝達は必要だと思いました

 

実際に、精油の取り扱いを見ていても

ドキッとする場面もありました 

 

 

最後に、認知症を発症されている方への

タッチケアにも少し触れて終わりたいと思います

 

とあるグループホームでのお仕事で

入浴介助後の爪切りを依頼されたときのこと

 

その方は、認知症がかなり進んでおられ

症状の影響もあり

ケアを拒否されることが多い

というエピソードを伺ってました

 

こういう時こそタッチケアと思い

施設で使われているクリームをお借りして

保湿を兼ねて手のタッチケアから始めました

 

すると… 

会話は残念ながら伝わらないのですが

少しずつ受け入れてもらってる感が伝わってきます…

 

触れるというこういは

相手のココロに触れ

時に言葉を超えたコミュニケーション

になります

 

時間をかけて関係性が温まった頃

 

爪切りもスムーズにさせてもらえました

 

もしかしたら

たまたま体調が良い時だったのかもしれません…

 

でも、改めてタッチケアは

言葉でコミュニケーションが難しい時も

感覚を通して関係性を作るのに役立つツールだと実感しました

 


4.まとめ

タッチケアは

1対1で行う時は

安心感を与え

信頼関係を作るのに役立ちます

  

そしてこれらは認知症予防に

よい効果を与えると分かっていますし

 

実際に認知症を発症されている方との

コミュニケーション・ケアの受け入れにも

役立つケアだと思いました

 

アロマタッチケアは精油を使うので

導入には準備や注意が必要になりますが

 

工夫次第では 

普段お使いのクリームを利用するなどし

今の環境下でできるタッチケアはあります

 

双方にとって優しいタッチケア

必要な時に、必要な人が使える

そんな環境になると良いな…と思うのでした

 

 

以上、3回にわたり

『認知症予防とアロマケア』シリーズ

いかがでしたでしょうか?

  

他にも家族の立場からの記事や

 

デイサービスでの取り組みの記事もあります

 

良かったら参考までにご覧ください↓

 

介護アロマ③~父の変化とケアの可能性

 

デイサービスでのアロマ&ライアープログラム

 

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3回にわたり

最後まで読んで頂きまして

本当にありがとうございました