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認知症予防とアロマケア②~香り編

 

シリーズ2回目

⇒1回目は認知症予防とアロマケア①~導入編

 

アロマケアには大きく分けると

『香り』×『タッチ』の要素があります

 

認知症予防ケアにどのように役立つのか?

 

実際の活動体験も取り入れながらまとめています

 

今回は『香り編』

  1. 香り⇒脳への刺激
  2. 香りで広がるコミュニケーション
  3. 嗅覚低下の早期発見
  4. まとめ

の順に考えてみたいと思います

   


1.香り⇒脳への刺激

アロマセラピーには

色んな楽しみ方があります

  • 芳香浴(香りを楽しむ)
  • アロマバス
  • アロマトリートメント
  • アロマクラフト作り等など

その中でも芳香浴は

一番取り入れやすい身近な方法です

  

 

香りは嗅覚を通して

ダイレクトに脳の本能的な部分

働きかけます

  

それも0.2秒という速さで!

この香り何かな?と判断する前に

記憶や情動に働きかけます

 

なので、好きな香りをかぐと

今まで緊張していた方が

二ッコリ笑顔になったり

 

疲れたな~と思ってる時も

心が穏やかになったり

明るい気分になったりと

リフレッシュに役立ちます

 


2.香で広がるコミュニケーション

精油の香りは

気分のリフレッシュに役だったり

香りを通してのコミュニケーションにも繋がります

 

以前、予防介護教室でアロマ講話を

させてもらってた時のエピソードです

 

初めましての会場では

最初はちょっぴり緊張感のある空気が

漂っています…

 

そこで、香りを体験する時間を持つと

あっという間にその場が和みます。

 

『あ~いい香り』と笑顔を見せる人

『これ苦手!』と素直に感想を呟く人

それを聞いて笑う人など

 

この場面では判断(思考)を介さず

感じたままの香りを表現されてたと思います

 

緊張していた心がふっと緩むと

その先は関係作りもスムーズに…

 

そして香りの感じ方や反応は人それぞれ

その時の気分や健康状態によっても

個人差があります

 

気分が変化するのを感じる人もいれば…

身体的な反応を感じる人…

香りから色んな連想が広がる人も…

 

それがまた面白かったり

どうしてなんだろう?って

好奇心を刺激します。

 

『好奇心は若さを保つ秘訣』と

よく聞きますが…

 

65歳~90代の参加者さまは

イキイキされていました♪

 

また、別の場面のお話ですが

その時に感じた香りから

昔の記憶を思い出し(プルースト効果

色々と自分の歴史や内面を

語ってくれる 方もいらっしゃいました

 

このように

香りの刺激は

・気分を一瞬で変化させたり

・記憶に働きかけ自己表現につながったり

・好奇心を引き出す

等の可能性があります

 

なにより

植物の香りを通して

人とのコミュニケーションそのものもが

認知症予防に繋がります

  

 


3.嗅覚低下の早期発見

もう一つ別の予防の視点では

精油の香りを意識的にかぐことで

 

嗅覚の低下の早期発見に繋がる可能性があります

 

ご存知の方も多いかもしれませんが

認知症の初期症状の一つに

嗅覚の低下があります

 

嗅覚だけで全ては判断できませんが

意識的に嗅覚を確認することは

健康状態を知る一つのキッカケに!

 

MCI(軽度認知障がい)という

認知症と未病の中間の段階で見つかると

その後の働きかけによっては

予防することにも繋がります

 

そしてニオイを感じる嗅神経

唯一再生が可能な神経です

 

色んな香りをかぐことで

嗅神経をまんべんなく刺激され

嗅神経のトレーニングに!

 

ちなみに嗅ぎ分ける能力は

女性は50代から

徐々に低下していくと言われています

 

又、認知症が発症する10~20年前から

 

脳内の変化は起きていると言われています

 

精油は科学的にみると

数十種類数百種類有機化合物からなりたっています

 

日常のセルフケアに

精油の香りでリフレッシュする時間は

 

楽しみながらの嗅覚トレーニングにもなりますね

  

精油の香りはちょっと苦手…という方は

日常で使う食品でもできますよ!

 

例えば朝のコーヒータイム

 

食事を作る時に使うスパイスの香り

等など

 

日常の中で自分の嗅覚を確認するのは

セルフケアの一つとして役立ちます

 


4.まとめ

認知症予防とアロマケア

『香りを感じる』という視点からは

  • 香りの刺激はダイレクトに脳の本能的な部分に届くため、思考を介さずに記憶や情動に働きかけ、そこから表現やコミュニケーションに広がる
  • 香りを通してのコミュニケーションは、脳を刺激しながらも、自分が心地よいと感じるコミュニケーションに繋がり、それ自体が認知症予防の一つである
  • 普段かがない香りを意識的に嗅ぐことで、嗅覚低下の早期発見に気づくキッカケとなり、その後の予防行動や治療に繋がる機会となる

 

長くなってしまいましたが

最後まで読んでいただいて

ありがとうございます

 

ご感想やご質問などありましたら

下記のメールから頂けると嬉しいです!

 

では次回は

⇒認知症予防とアロマケア③~タッチケア編

 

 

『触れる』という視点からお伝えしますね。